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かなた物語

更新日:7月3日

住宅街に現れた迷子犬

 

令和5年8月26日、鈴鹿市東磯山の住宅街を放浪していた犬が、鈴鹿市保健所に収容されました。当初、その犬は迷子犬と思われたため、「ハンタ」という仮の名前をつけてもらい、家族のお迎えを待つことになりました。 


 

ハンタはきっと、すぐに家族が迎えに来てくれると信じていたに違いありません。ところが、いつまで待ってもお迎えはありませんでした。

 

そしてハンタは、慣れない環境で、見ず知らずの職員さんとの生活が長引くうちに疑心暗鬼になったのか、苦手な職員さんを威嚇し始めました。



 

低い命のハードル、殺処分判定

 

確かにこれはちょっと怖いですね。ただ、通常、犬が理由なく人間を威嚇することはありません。


仮に人間だって、狭い空間に閉じ込められ、そこに大きな動物が近づいてきて何をされるか分からない状況であれば、恐怖を感じ、自分を守るために強く見せようとしたり、あるいは抵抗したりするでしょう。


長い間行動を制限されていれば、よりストレスも大きくなり、思わず「近づくなっ!」と威嚇する。それは犬でも人間でも当たり前の行動です。 



その威嚇をダメだと言い出したら、ほとんどの犬が殺処分対象になってしまうかもしれません。ハンタは好きな職員さんにはとてもフレンドリーで従順でした。ですが、保健所では一部の職員しかお世話できないということで、ハンタに殺処分という判定が下されたのです。

 

懸命の里親募集

 

しかし、保健所も少しでも殺処分を減らそうと尽力なさっています。その一環として、殺処分対象の犬猫を里親様につなげる活動をしている私ども「つむぎ」に、鈴鹿市保健所から殺処分対象の犬がいるとご相談がありました。早速、ハンタに面会に行った時の写真が、以下の3枚です。


 

御覧の通り、つむぎのメンバーが初めて会ったハンタは、とても人懐っこくて友好的な雰囲気の良い子でした。威嚇などは微塵もなく、この愛くるしい子がなぜ殺処分されなければならないのかと、スタッフは皆、困惑しました。

 

そのため保健所に殺処分撤回をお願いしましたが、その場では聞き入れて貰えませんでした。そこでつむぎは、ハンタが放浪していた地域にチラシをポスティングしたり、ネットで緊急の里親募集を呼びかけたり、ハンタの命を救うための行動を開始したのです。



残念ながらポスティングには反応がありませんでしたが、ネットをご覧になった県外のご家族から、「年齢的に里親にはなれないが、預かりならできる」と連絡が入ります。ハンタの命に一筋の光が射した瞬間です。

 

預かりご家族とのお見合い

 

預かりを申し出てくださったご家族は、すぐに遠方から保健所にいるハンタに会いに来られました。初めて会ったばかりだというのに、ハンタはとてもフレンドリーで、威嚇するどころか、すり寄って甘えました。そして、短い時間だったのに、最後はお座りをして預かりママさんの手からおやつを食べるほどの信頼を見せてくれたのです。

 


ハンタが「お座り」する姿を見て、スタッフは「やはり、この子は元は飼い犬だったのだな」と感じました。保健所に収容されるまでの間、ハンタはどんな思いで家族を探しさまよっていたのでしょう。迎えに来なかったということは、ハンタを見捨てたということだと思います。それでもなお、ハンタは人間を信じてくれました。


それにハンタは人をよく見ており、信頼し心を開く速度も人によって違うようです。この賢さと性格なら、預かりさんや里親さんのお宅に行ってもきっと大丈夫でしょう。

 

そう確信し、つむぎは預かりさん宅の家庭訪問を行い、飼育環境を確認した上で、ハンタを保健所から引き取りました。なんとかハンタの命をつなぐことができたのです。

 

長い長い保健所生活からの解放

 

ハンタは8ヶ月という時間を保健所で過ごしました。

わずか8ヶ月と思われるかもしれませんが、犬は人よりずっと寿命が短いため、1年が人の7年に相当すると言われています。(ドッグイヤーという言葉があります。)

 

そのためハンタは、人間でいえば4年半もの間、保健所にいたことになります。そんな長い長い保健所生活からハンタを解放し、預かりさん宅へと無事、届けることが出来たのも、多くの方のご協力と努力の結果です。

 

ハンタ、改め「かなた」へ

 

預かりさん宅でハンタは、新たに「かなた」という名前をもらいました。



かなたは、初めてのお宅でもまったく物おじすることなく、陽気にはしゃぎ回り、ご家族に擦り寄り、まるで昔からここのお家の子のように甘えていました。♥️ 預かりさんもかなたの愛くるしさにメロメロです。




そして落ち着いたかなたは、穏やかな表情になり、体全体で喜びを表していました。その姿を見て、私たちは、諦めずに行動して良かったと心から思いました。


 

こうしてかなたは幸せの第一歩を踏み出すことができました。

 

次なるステップへ

 

次は、かなたを最後まで愛し続けてくださる里親さんと巡り会うことです。ずっとのお家が見つかるよう、かなたは6月からつむぎの譲渡会に参加しています。

 

こんな「かなた」に少しでも関心をお持ちの方は、是非是非、会いにいらしてください。譲渡会でお待ちしています。🐕



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